向日葵の咲かない夏

道尾秀介

衝撃的度★★★★★

ジャンル:ミステリー、ホラー

〜あらすじ〜

夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。

〜紹介〜

多くの人にはお勧めできません。耐性がある人だけ読んでください。

ミステリーだと思って読むと途中からホラーなの!?と思ってしまうような本です。はっきり言って気味が悪いです。恐ろしい描写が続くのですが、読み進める手が止まらないという中毒症状に陥る人がたくさん出る本です。色々話すとネタバレになってしまうので紹介はここまで・・・。

購入はこちら↓

おしまいのデート

瀬尾まいこ

ジャンル:感動

ほっこり度★★★★★

〜あらすじ〜

中学三年生の彗子は両親の離婚後、月に一度、父の代わりに祖父と会っていた。公園でソフトクリームを食べ、海の見える岬まで軽トラを走らせるのがお決まりのコース。そんな一風変わったデートを楽しむ二人だったが、母の再婚を機に会うことをやめることになり……。表題作のほか、元不良と教師、バツイチOLと大学生、園児と保育士など、暖かくも切ない5つのデートを瑞々しく描いた短編集。

(集英社文庫より)

〜紹介〜

「デート」と言われると男女のイメージがありますが、この短編集にはさまざまな関係の人たちが「おしまいのデート」をします。瀬尾まいこさんの書く小説に登場する人物は皆温かく、魅力的です。特に「ランクアップ丼」というお話に出てくる元不良生徒と教師のやりとりはずっと見ていたくなります。

また、この本はデートに出てくる食べ物がとても美味しそうに描かれているところも魅力の一つになっています!読了後、きっと誰かとご飯を食べたくなること間違いなしな物語です。

購入はこちら↓

終末のフール

伊坂幸太郎

ジャンル:ミステリー、サイエンス・フィクション

考えさせられる度★★★☆☆

〜あらすじ〜

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。

自分の言動が原因で息子が自殺したと思い込む父親(「終末のフール」)

長らく子宝に恵まれなかった夫婦に子供ができ、3年の命と知りながら産むべきか悩む夫(「太陽のシール」)

妹を死に追いやった男を殺しに行く兄弟(「籠城のビール」)

世紀末となっても黙々と練習を続けるボクサー(「鋼鉄のウール」)

落ちてくる小惑星を望遠鏡で間近に見られると興奮する天体オタク(「天体のヨール」)

来るべき大洪水に備えて櫓を作る老大工(「深海のポール」)などで構成される短編連作集。

はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。

〜紹介〜

「おすすめの伊坂幸太郎作品は?」と聞かれたら真っ先に思いつくのがこの「終末のフール」。 長編作品での伏線回収が素晴らしい作家さんですが、短編集でもその力は際限なく発揮されています。読書が苦手な人はまず、この本の「籠城のビール」を読んでほしいです。この短さでこんなに人を楽しませることができるの!?と絶対驚くと思います。

そして、この本は、世界が滅亡すると予告されてから5年の月日が流れているという世界が舞台になっています。もし終末が分かっていたら、自分は誰とどこで、どんな気持ちで何をして過ごしているのだろう・・・と、考えさせられる本です。

購入はこちら↓

噛み合わない会話と、ある過去について

辻村深月

ジャンル:日常ホラー

鳥肌度★★★★☆

〜あらすじ

あなたの「過去」は、大丈夫?美しい「思い出」として記憶された日々――。その裏側に触れたとき、見ていた世界は豹変する。無自覚な心の内をあぶりだす「鳥肌」必至の傑作短編集!大学の部活で仲のよかった男友達のナベちゃんが結婚するという。だが、紹介された婚約者はどこかズレていて――。「ナベちゃんのヨメ」国民的アイドルになったかつての教え子がやってくる。小学校教諭の美穂は、ある特別な思い出を胸に再会を喜ぶが……。「パッとしない子」人の心裏を鋭くあばく傑作短編集!

(講談社文庫より)

〜紹介〜

⚠️美しい装丁に惹かれて読んでしまうと痛い目に合います⚠️

個人的に、辻村深月さんは人間の醜くく触れられたくないような部分を文章にするのが上手な作家さんベスト3に入っていると思っています。この本は短編集で読みやすいのですが、ある程度の覚悟を持って読まないと精神的に辛くなること間違いなし。特に2番目のお話「パッとしない子」は鳥肌必至・・・。この本は読む人によって恐怖を感じるか、痛快だと感じるか極端に分かれる作品なのではないでしょうか。私は恐怖を感じました。

購入はこちらから↓