ザリガニの鳴くところ

ディーリア・オーエンズ (著), 友廣純 (翻訳)

ジャンル:海外文学

素敵度 ★★★★★

あらすじ

ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく……

みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ──。 (amazonより)

おすすめポイント

2021年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位に輝いた一冊です。動物学者の著者が湿地を舞台に1人の女の子の成長過程をノースカロライナ州で起きた事件と行き来しながら進む物語です。湿地に良いイメージを抱く人は少ないと思いますが、筆者の巧みな表現力や、湿地を愛する主人公を見ていると湿地に自然と興味が湧く一冊になっています。若くして1人で生きていくことになったカイアが子どもから大人になっていく過程とそれを支える周りの人々に感動する物語です。最後に真実が明かされたときは鳥肌が立つ、ミステリーでもあり、自然の綺麗さや、主人公の生き方に刺激を受ける本です。個人的におすすめ度No.1です!

月と六ペンス

サマセット モーム(著) 金原 瑞人 (翻訳)

ジャンル:海外文学

続きが気になる度 ★★★★☆

あらすじ

ある夕食会で出会った、冴えない男ストリックランド。ロンドンで、仕事、家庭と何不自由ない暮らしを送っていた彼がある日、忽然と行方をくらませたという。パリで再会した彼の口から真相を聞いたとき、私は耳を疑った。四十をすぎた男が、すべてを捨てて挑んだこととは―。ある天才画家の情熱の生涯を描き、正気と狂気が混在する人間の本質に迫る、歴史的大ベストセラーの新訳。(「BOOK」データベースより)

おすすめポイント

安定な職や、家庭を持つことだけが人間の幸せではないことを考えさせられる一冊です。人の暗い部分と明るい部分を素直に書いた独特な小説です。彼の人生を辿っているだけなのに、なぜか没頭してしまう本です。有名なサマセット・モームが著者なので、海外文学に興味のある方や、少し変わった本を読んでみたいという人におすすめです!